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きゃさりん食堂

で、私の部屋に毎日大量のお米が届くようになったんだけど、コレどうすればいいのか、知恵を絞りなさい、憂。

「は、えっと・・・そうですねえ。まず、状況を整理しましょう。由納言美さまから、毎日10キロのお米が届きます。10キロで大体67合。一合につき、軽くご飯二杯分になりますね。つまり、67×2=134杯分のご飯が炊ける計算です」

「ふむ、134杯か・・・」
もっともらしく腕を組んで悩んでみたものの、どうすればいいのかさっぱり分からない。余談だけど、さすがプリンセスがプリンセスに提供するお米だけあって、最高級のお米だ。どのくらいおいしいかというと、おかずなしでも食べられるくらいだ。あ、断食している私はたべられないから、今のは憂の感想だけど。

「このまま増え続けますと、足の踏み場もなくなりますね、お嬢様」
「そうだねえ・・・」

すでに、押入れは米で占拠されているので、お米は廊下にもあぶれている。
プリンセスのお部屋としては、あまりにも見苦しい。

また、断食中の私としては、自分の近くに食べ物を置くのは正直辛い。
さらにいえば、きゃさりんは、断食に耐えかねて、じつはこっそりご飯をたべているのではないか、というような下衆な勘繰りをする輩も出てくるかもしれない。

「早急に対策を考えないとね」
「お嬢様、実は私に腹案があります!」
「えっ!?そうなの? もったいぶらずに早く言いなさいよ」

「きゃさりんお嬢様とハイタッチをして、ホットな朝食をゲットしよう!」

・・・見ている私が恥ずかしくなるような文字が、あちこちでにょきにょき生えている。
つまり、のぼりがたくさん立っている。

憂の提案は、お米を利用して、旧校舎に通う学生のために無料でご飯を提供するというものだ。
その際、きゃさりんお嬢様とのハイタッチを条件とする。これにより、私の旧校舎でのプレゼンスが格段に上がる、という作戦だ。

ご飯だけというのも寂しいので、千条さんからお味噌が提供されることになった。ちなみに、炊事は、千条派閥のメンバーに分担して行ってもらう。

千条、結納、姫宮の三巨頭会談では、ご飯と味噌汁だけでは、やはり物足りないのではないか、という意見も出されたが、
というかその意見を具申したのは私だが、却下された。あまり一気に甘やかすと、ありがたみがなくなるから、とは千条さんの意見だ。

旧校舎の学生たちは、もともと20万円もらっていたベーシックインカムを半分に減らされた者がその中核を占める。要するに、節約を強いられる立場だ。ただで美味しい朝食にありつけるとなれば、彼女たちにとってはありがたい話だ。

「おはようございます! きゃさりんお嬢様」
お、また一人来た。よし、ハイタッチっと!

Comic_16.jpg

「ふー、モテル女は大変だわ。いやー、人気者でまいっちゃうよね」
「キャサリン殿!」
遠くから、誰かが走り寄ってきた。
「おおう、我が同士よ! 苦しゅうない、近うよれ」

(まあっ、千条様に対して、なんて態度なの!?)
(しっ、聞こえるよ。関わらないほうがいい)

「ん? 誰か何か言った?」
「ああ・・いえ、何でもありません」
「朝ごはん、ありがとうございます!」

千条さんと彼女の付き人二人と対面するわたし。

どうでもいいが、千条さんは、常に複数と連帯して行動している。彼女は敵国の姫なので、彼女に対して複雑な想いを抱いてる学生も少なくないからだ。もちろん、彼女は実家の方針と対立し、その縁を切っているので、彼女を憎むのは筋違いだ。

でも、人の感情はそうすっぱり割り切れるものではない。千条家との戦で、肉親を失った者もいるので、不測の事態が発生する可能性は、実は高いのだ。また、命の危険はともかく、真冬の喫茶店で、キンキンに冷えたコーヒーを出されたり、真夏のカフェで、冷蔵庫が壊れたとかで、ぬるいオレンジジュースを出されたりして、といかくいろいろな嫌がらせを受けている。

まあ、そういうわけで、彼女の心身を護るために、付き人は常に複数必要なようだ。もちろん、それをもって、臆病者と非難することは簡単で、正鵠を射ているといえなくもない。でも、彼女を非難する資格のある人間は、この世の中で何人いるだろう?

「きゃさりん殿!このたびは格別なご配慮を賜り、いたみいる。派閥を代表して、感謝する。本当は、こういうことは、私が私財を投じてやらなければいけないことなのに、申し訳ない・・・」

笑顔の影に、苦悩がにじみ出ている。

「ははは、あなたも若い頃は苦労をしたんだから。こういうときくらいは、わたしのような大権力者に甘えていいのよ!」
(まあ、なんて偉そうな・・・)
(いいから、黙っときなさい!)

付き人の人たちが、なにかごにょごにょ言っている。おそらく、あまりにも身分の高い私を前にして、直言をためらっているのだろう。なんと奥ゆかしい。憂にも見習ってもらわないと。

「きゃさりん殿。今回の温情的なご配慮は、必ず報いる!」
「いいってことよ!あははははははははーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

・・・



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Catherinefx

Author:Catherinefx
ブラックあずにゃんさんのTwitterによる寄稿のライトノベルです。
絵:きゃさりん

とある乙女の裁量決済(ロスカット)
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もともとは上記ブログで紹介させていただいていたのですが、最新記事から降順では読みづらいため、こちらに読みやすくまとめてみました。

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